浮気の相談は少なくありません。でも、聞いていて滑稽な話も少なくありません。たいていは夫の浮気で、妻が相談にお見えになります。相談者にとっては修羅場で、あまりに辛いことなので、その相談は真剣です。ですから私は、笑うことも、怒ることもしません。
でも、ヘンな相談は多いのです。夫が実際には浮気をしていなくても取り越し苦労の相談もあります。結婚前からの何十年にも渡る浮気で悩まされている場合もあります。夫が浮気をしているから妻の自分も浮気をするという場合もあります。浮気をしている夫の浮気相手の女性に夫がいる場合、つまりダブル不倫のこともあります。大きな企業の大事なポジションの男性の不倫が、スキャンダルにならないように、重役が入っての話し合いで別れさせられる話を伺うこともあります。
浮気の相談の多くは、相談者は正しく、相手が悪い、そして相手の浮気を止めてほしい、というものです。
浮気を止めるぐらいのことは、宗教家によっては、簡単なことです。呪詛(じゅそ)のような方法を用いるのです。しかし、多くの宗教家は、相談者のそうした要望を受けないと思います。それが真理に照らして誤っているからです。
相談に来られた方は、相談をしているうちに、お気づきになるはずです。自分の求めているのは、相手の浮気を止めさせることではなく、相手と仲良くしたいということだと気づきます。そこに至ると修羅場のような話が、滑稽な話だと気づかれるはずです。