(背景はAI生成による)
知り合いに紹介されたジャズ喫茶に、一人で足を運んだ。
中央がすり減った狭い急階段を、踏みしめながら上へと上っていく。その度に、胸の内で期待が少しずつ膨らんでいった。
扉を開くと、途端に大音量のジャズが空間いっぱいに広がり、身体の内側まで震わせる。
古いレコードが回り、巨大なスピーカーが吐き出す艶やかな音。存在感のあるメインアンプが静かに鎮座するそばの席に腰を下ろす。
コーヒーとアップルパイを前に、音にうずもれるひととき。時間の流れがゆっくりと変わっていく。
思えば、40年ほど前、頻繁にジャズのライブに通っていた時期があった。
若かったあの頃の熱気や高揚感が、ふと音の隙間から立ち上がってくる。
久しぶりに訪れたジャズの世界は、どこか懐かしく、そして今の自分を新たに整えてくれるようでもあった。
小さな階段を上った先にあったのは、忘れかけていた感覚をそっと呼び戻してくれる場所。
また折に触れて立ち寄りたくなる、そんな空間だった。


