ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのため建設した総大理石の墓廟です。1632年着工、1653年竣工と言われています。インドのイスラーム文化の代表的建築物です。ムガル王朝の皇帝は大きな霊廟を備えています。
インドは、ヒンドゥー教の国です。広くいうと、紀元前2300年頃から現れたインダス文明の時代から現代にまで続くインドの文化の基層をなすものです。ヒンドゥー教徒は墓を持たず、遺体は火葬され遺骨や灰は川に流します。また、霊魂は永遠と考えるイスラーム教徒でも墓は簡素なものです。
タージ・マハルは、大きく、美しい礼拝施設になっています。霊廟としては、専制君主の権勢を示す目的になっていて、ほんらいの宗教的な意味合いとは異なるものです。