「ある何か」の存在は、確定しません。「ある何か」は、特定の姿や形に依存しています。
その何かが確実に存在することの証左は、その何かの変化によります。ある瞬間、つまり、その時は、時間の推移がありません。当然、変化を見いだすことはできません。
ある瞬間にある姿を持ったものには、変化を見いだせないので、確定的な存在を明らかにできません。変化しないものであっても存在の推定はできますが、確定的な存在を示すことができないのです。
変化には、時間的な推移が必要です。つまり存在を明らかにするには、時間の推移による変化を示さざるを得ません。つまり存在は、そのものでありながら、同一ではないもの、つまり「ある特定の何か」ではなく、変化しているものしか存在を確定することができないのです。