2018年06月18日

マミーブラウンを埋葬したバーン・ジョーンズ

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マルタン・ドロリング wikipediaより

きれいな茶色があります。ピンクがかった透明感のある茶色で、マミーブラウンと呼ばれます。ラファエル前派でよく使われた絵の具の色です。ラファエル前派は、19世紀の中頃、ヴィクトリア朝のイギリスでの活動で、宗教的秘密結社のようにもみえます。

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エドワード・バーン・ジョーンズ wikipediaより

マミーブラウンの当時の材料は、エジプトのミイラでした。それを知ったエドワード・バーン・ジョーンズ(1833年-1898年)は、鉛のチューブに入ったマミーブラウンの絵の具を芝の庭に埋葬しました。彼は、神学を学んでいましたが、聖職者になるのをやめて、友人のウィリアム・モリスの影響で、画家になりました。

来世のためにミイラにした方々の思いを、マミーブラウンを使ってきた人たちも、埋葬した人も、敏感に感じたのかもしれません。
posted by ほうとく at 12:06| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする