青磁は、中国で発達した陶磁器で、南宋(12世紀から13世紀)の時代に最盛期を迎えます。日本、東南アジア、朝鮮半島にも伝播しています。
朝鮮半島では、高麗の時代(10世紀から14世紀)に、多くの青磁が作られています。その中でも12世紀が最盛期だといわれます。その時期に象嵌青磁も作成されています。1123年、宋の徐兢(じよきよう)は、見聞記『宣和奉使高麗図経』を著わしています。その中でその時期に高麗青磁のきれいな青色を出せるようになったとしています。
朝鮮王朝を支えていた両班(やんばん)は、文臣と武臣です。文臣が尊ばれていたために、武臣の不満から1170年に庚寅の乱(こういんのらん)が起きました。その後、武臣政権が100年間続きました。武臣政権の執権舎が李義方から林惟茂まで11人います。その初代、第11代を含め、6人が殺害されています。
象嵌青磁は、その武臣政権がはじまってから盛んになっています。つまり、南宋で、12世紀から13世紀にすばらしい青磁が作られ続けている間に、高麗では、1120年ごろに、青磁の色が出せるようになり、1170年ごろ、武臣政権になってから象嵌が盛んになり、その後、1270年に武臣政権を終え、14世紀半ばに粉粧灰青沙器に代わり始めたのです。
写真、象嵌青磁雲鶴文梅瓶
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%BA%97%E9%9D%92%E7%A3%81#/media/File:Korea-Goryeo_celadon-02.jpgDescription: Goryeo celadon, Korea