2013年05月28日

鑑真の渡日の動機は「慧思の生まれ変わりの聖徳太子がいたから」ではないかもしれない

鑑真は、743年に渡日しようとしてから、5度の失敗、10年を費やして、753年に日本に来た。鑑真は、天台宗を学んだ戒律の僧であった。彼は、玄宗皇帝の反対を押し切ってまで渡日した。その強い動機は「南嶽慧思(なんがくえし)後身説(慧思禅師後身説)」によるとも言われている。

「南嶽慧思後身説」によれば聖徳太子は、天台宗開祖の天台智(ちぎ)の師の南嶽慧思の生まれ変わりだという。

関係する人物の生没年を並べてみた(wikipediaより)。
○慧思(えし, 515年(延昌4年) - 577年(太建9年))
○聖徳太子、敏達天皇3年1月1日(574年2月7日) - 推古天皇30年2月22日(622年4月8日))
○鑑真(がんじん、鑒眞、688年(持統天皇2年) - 763年6月25日(天平宝字7年5月6日))

ここで、疑問が出る。慧思が没する前に聖徳太子が生まれることはできるのか。生没年に誤りがある、あるいはその説を唱えた人が生没年を知らなかったか、生まれ変わりが誤りなのか。

「禅師後身説」を唱えたのは思託(したく)だとされる。鑑真の門人で律・天台兼学の僧で、唐の沂州の人だ。思託は「大唐伝戒師僧名記大和上鑑真伝(略称「大和上伝」「大和尚伝」)」を著わした。

鑑真の門人の思託が「禅師後身説」を唱え、鑑真が彼の弟子の説によって日本に導かれたとすることに無理はないだろうか。ここで全体の脈絡に誤りがありそうだと思える。つまり鑑真の渡日の動機は別にあって、思託は「禅師後身説」を唱える必要があったのではないか。

思託の『大唐伝戒師僧名記大和上鑑真伝』などを元に淡海三船(おうみのみふね)が、『唐大和上東征伝(とうだいわじょうとうせいでん)』を著わした。遣唐使とともに入唐した栄叡(よいえい)と普照(ふしょう)が揚州で鑑真に来日を請うた。そのとき鑑真は長屋王とのやりとりを述べた。

日本国の長屋王は、仏法を崇拝し、千の袈裟(けさ)を造り、この国に贈ってきた。その袈裟の縁の上に、次の句を刺繍(ししゅう)してあった。

「山川域(さんせんいき)を異(こと)にすれど、風月(ふうげつ)天を同じくす。これを仏子(ぶし)に寄よせて、共(とも)に来縁(らいえん)を結(むす)ばん」

長屋王の思いが託されたこの詩を読めば、心動かされるだろう。それが鑑真の渡日の動機かもしれない。しかし、鑑真が渡日しようとしたときには、すでに長屋王の変で自害して12年も経っている。しかも、これが著わされたのは、日本に来てからだ。

生没年(wikipediaより)
○長屋王(ながやのおおきみ、天武天皇13年(684年)? - 神亀6年2月12日(729年3月16日))

鑑真の身辺を思い、また、彼の心情を思い、門人の思託が配慮したのが「禅師後身説」なのではないかと思える。
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2013年05月24日

メールマガジン月刊「現代の生活に古代の智恵を活かす(無料)」のタイトルの一覧

メールマガジン月刊「現代の生活に古代の智恵を活かす(無料)」を発行してきました。そのタイトルの一覧を作りました。なかなか興味深いタイトルが並んでいると、自画自賛してしまいました。

「先祖崇拝は、古神道に由来します」サンプル誌
「古神道で悪い因縁を絶つ」平成23年9月
「アニミズムに由来する「もったいない」は、物も人も活かします」平成23年10月
「食前の「いただきます」は、現代の日本に残された古代の風習」平成24年1月
「竜神さんの力を借りる秘法」平成24年2月
「ご先祖様へのお供え物」平成24年9月
「森を守る日本人」平成24年10月
「日本人のお辞儀」平成24年11月
「お正月のお餅」平成24年12月
「日本の「お弁当」に託された文化」平成25年2月
「日本語を使う日本人」最新号平成25年5月

お読みになったら、感想やご意見などをお聞かせいただけると嬉しく思います。
http://www.mag2.com/m/0001332631.html
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2013年05月21日

「暇」の実現のために予定表に瞑想を

(関西弁まじりで読みにくいかもしれませんが、ご容赦を)。暇しとられん(暇にしていることができない)人がおります。ぼけっとしていたら、「なんかせな(何かをしなければ)」と思うわけです。手近な、それまで目もくれなかった文庫本でも読み出すわけです。あるいは引き出しの整理をはじめてまうわけです。

そうした人を「暇なおひとや」と周囲の人は思うわけですが、当人は、結局、気ぜわしくせなおられんわけです(気ぜわしくしていなければ、いられないのです)。

そうした人たちこそ、知っとります、「暇がええなあ(暇なのがいい)」と。そうでけへんのを(そうできないのを)、自分ができそこないやからや(できそこないだからだと)と気づきます。そこで、やっとスタート地点。頑張りまひょ。

暇を作らな(暇をつくらなければ)。どないやって(どんなふうに)? 空いとるとこを詰めんようにする。うーん、その通りやけど、「やめる」のは難しいなあ。なんかするダイエットや、ジムに通うことより、食べへん(食べない)ほうが難しい。つい、手が出る。ちゅうわけで(というわけで)、強制的に暇にするプログラムを組み込む、瞑想のような。

「そないにまでして暇にせなあかんか?」
「そや、あかん。偉い人が瞑想しとるやないか。政治家も、経営者も、ビジネスマンも」
「忙しいからビジネスマンや。それが暇やて、おかしいやろ。瞑想がよっぽど気持ちよおうて(よほど気持ちがよくて)中毒になっとんか、それとも瞑想したら儲かるんか」
「中毒は、ちゃうやろなあ(違うだろうなあ)。他になんぼでも気持ちようなるもんはあるやろ。ぽかっと空けるとええなあと知っとってしよるんやろ。偉い人らがなんか中毒になっとうなんて聞いたこたあない(聞いたことがない)。頑張ったら、なんぼでもええことがある人らがそれをやめる、って、なんか分からんけど、たぶん暇したらええことがあるんやろ。せやけど、それで金になるわけもないやろ」

きぜわしゅう(気ぜわしく)考え、動く。それは己が考え、己が動く。けど、その程度なんてしれたもんや。手ぇ出しとったら(手を出していたら)天から降ってくるもん、よう分からんけど、なんかごっついもんを受け取ってもたあ、のほうがええやろ。「あっ、そうかぁ」みたいな。

と言うわけで、ちょいと組んどいたろか(すこしばかり組んでみようか)、瞑想も。
posted by ほうとく at 22:22| Comment(2) | TrackBack(0) | ・幸福 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月10日

まもなく月刊「現代の生活に古代の智恵を活かす(無料)」が発刊。今回のテーマは「日本語を使う日本人」

まもなく月刊「現代の生活に古代の智恵を活かす(無料)」が発刊されます。今回のテーマは、「日本語を使う日本人」です。そのサワリをご紹介します。
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○はじめに
「日本語を使う日本人」をタイトルにしました。私たちは、世界中の言語の中で、日本語が特殊で、習熟が困難だと思い込んでいます。実際、外国人が日本語を日本人のように使いこなすのに簡単な言語ではないかもしれません。ところが人間の使う言語を分類していくと、日本語は、むしろポピュラーであり、最高に難しい言語でもないのです。

また、この日本語を母語にしている人たちや日本語を流暢に使う人たちは、日本の民族の雰囲気を醸しだしています。日本人は、日本語を使うことで特徴づけられ、また日本語を使うことでその集団に帰属しようとするのです。
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感想やご意見などをお聞かせいただけると嬉しく思います。
http://www.mag2.com/m/0001332631.html
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posted by ほうとく at 14:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月06日

今晩、毎月恒例の曽根支部例祭です

今月の感謝祭(5月1日)」に「病気と向かい合う」をお話ししました。その中で、霊視する技術を少しばかりお伝えしたら、好評でした。今晩、毎月恒例の曽根支部例祭です。今日も「シャーマン」と題して、調子に乗って霊視する技を、またまたお話をしようかなあと思案中です(^o^)
posted by ほうとく at 12:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ・神さまごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする