「浮気」はよくない、という常識があります。ごもっともです。家族をお持ちの方ですと、浮気のために家庭内が芳しい状態ではなくなります。
私が相談を受けるのは、夫が浮気をしているという話ばかりです。ご婦人からの相談が多いのですから。伺うところでは、正しいのは妻である自分で、間違っているのは、浮気をしている夫、という話です。
奥様方はみなさん、たいそうにお怒りです。あるいは、悲しみ、自殺願望、殺意、自暴自棄もあります。
そして、奥様方の思いや振る舞いは、尋常ではなくなります。夫がするのだからと、自分も浮気をする。賭事にお金を使ったり、友達と食事に頻繁にいく。韓流のスターを追って韓国に行く。習い事や友達づきあいで、家事をしない。
相談者のお話を伺うほどに、私には、別のことも見えています。相談者の身勝手な感情、エゴの部分と、心の底で感じているほんとうの思い、真心というのか、神さまの御心(みこころ)に添うお気持ちの部分、そのギャップが、本人を苦しめています。それは辛く悲しいことだとよく分かります。
目の前に見えている不具合は、自分の不具合を示す鏡です。「夫の浮気で嫌な気分になった」というのは「あなたの浮気を改めなさいよ」、あるいは「あなたが夫に尽くしなさいよ」と言うしるしなのです。
芸能界の若い男の子に気がいっている、夫を放っておいて息子と仲良く過ごす時間が多い。そうした思いや振舞いは、あなたのエゴに基づくものです。その過(あやま)ちをあなたに気づかせる配慮が、夫の浮気なのです。夫の浮気であなたの真心に気づくようにさせているのです。
若い男の子へのあなたの思いや息子への振舞いに、ご主人は気づいていないかもしれません。それでも不思議なことに、夫は浮気をするのです。ほんとうのところ、夫は、浮気をしていないかもしれないのです。夫が浮気をしているとあなたが思い、いやな気分になれば、目的は達するのです。
夫の浮気で、あなたが気を揉む必要はまったくありません。あなたが気づき、学ぶ機会を用意されたにすぎません。その機会を配慮してくださったことに感謝しましょう。
私たちが生きていく上で、たくさんの理不尽な、あるいは不愉快な事柄に出会います。それらは、周囲の不出来ではなく、周囲で不快に感じた自らの不出来を示すものです。それが、気づき、反省し、学ぶための教材です。この配慮は、人類の英知を越えています。あなたに働きかけている神さまのご配慮を、そこに見いだすことができるのです。