2012年09月25日

愛情をもっとも注いでくれたのは、両親です

あなたがこの世に生を受けてから、あなたにもっとも愛情を注いできたのは、たぶんあなたのご両親です。

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あなたのご両親は、あなたを授かったとき、決めたのです、自分たちの楽しみごとよりも、この子のためにがんばろうと。何もできない赤ん坊を抱きながら、親馬鹿かもしれないと知りながらでも、世界で一番かわいらしく、いとおしく思ったのです。

赤ん坊のあなたの面倒を見ることがどれほどにたいへんか。昼といわず、夜といわず、あなたはお構いなしに、起きたり寝たり、ミルクを催促したり、大小便を出したり、そして歩き始めると、なお目を離すことができないのです。言葉を話し始めるまでは、何を求めているのかも分からず、もちろん話し相手になるわけでもありません。そうしたあなたを見守ってきたのはご両親以外にありません。

あなたに大事な恋人がいるかもしれませんし、あなたが慕っている先生がいるかもしれません。恋人が、アクセサリーを買ってくれたかもしれませんし、おいしい料理を作ってくれたかもしれません。先生の言葉があなたの奮起を促したかもしれません。それもまたあなたへの思いがあってこそです。あなたの幸せな時間だったことでしょう。しかし、その相手からの愛情に、いくらかでも報いることができたのではないでしょうか。

あなたの服を用意し、学校に行かせ、病気だと言えば、付き添って看病し、学校の成績や、将来の役に立つだろうかと考えて塾に行かせ、恋愛や結婚の心配をし、就職を考え、小遣いが足りているかと心配してくれるのは、ご両親です。よけいなお節介だと、言いたかったこともあるかもしれません。しかし、そのお節介をし続けてくれるのは両親だけです。恋人や先生ではありません。ましてや、仲がよくてもご近所の人などでは絶対にできないことなのです。

お父さんの仕事が大したことがないように思えても、おかあさんの家族への配慮が足りないように見えても、今日まで、あなたを慈しみ、育ててくれたのはご両親です。あなたを全力で愛してきた両親のことにあなたが気づいたときには、あなたの記憶にあるお父さんやお母さんよりも、ずっと小さな姿になっています。何年も何年も、ずっと気にかけ続け、報われることを期待しない両親の愛情に勝るものは、どこにもありません。

両親には、感謝しても感謝しても返せない恩があるように思います。

写真「子供の寝顔」 by crow
フォトライブラリー  http://www.photolibrary.jp/
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2012年09月18日

大河ドラマ「平清盛」の滋子の婚礼衣装の色合いに注目

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NHKの大河ドラマ「平清盛」の主人公、平清盛(松山ケンイチさん)の義理の娘、滋子が後の後白河法王に嫁ぐ時の婚礼衣装が興味深いものです(2012年7月22日に放送)。

成海璃子さんの演じる滋子が、後の後白河法王(松田翔太さん)に嫁ぐ時の衣装は、当時の中国、宗の装束のデザインを踏襲しながら、その色合いは、白と淡いピンクを基調に紅色がアクセントになっています。現代の婚礼衣装に照らしていうなら、白無垢にピンクの打ち掛け、紅白の襟、とでも言うところでしょう。そして、髪には、淡いピンクのしゃくやくの花と髪飾りに淡いグリーンの玉(ぎょく)を六つ、そして鼈甲(べっこう)のかんざしです。

打ち掛けに相当するのは、淡いピンクのすその長いベストと同色のストールです。

そこで使われた色や色合いは、私たち日本人のお気に入りです。

私たちがよく知っている紅白の巫女装束は、平安時代から宮廷の女官の服装です。当時の、そして今も、日本の女性のお気に入りの色が紅色です。その色は、かつては紅花から作る贅沢なものでした。

修生会で行事を手伝ってもらっているさくらふくむすめさんの巫女装束もそうした伝統的なスタイルです。そして、その色合いは、白い小袖、緋袴(ひばかま)、淡いピンクの襟、上に着る千早(ちはや)には白地に青摺(あおずり)と呼ぶ淡いグリーンで鶴の柄が散りばめられています。冠には、ピンクのサクラを模した造花をつけます。白、紅色、淡いピンク、淡いグリーンの組み合わせが、ドラマの滋子の婚礼衣装の色合いと似ていて、注目した次第です。

写真
NHK大河ドラマ「平清盛」  http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/special/cd/15/01.html

「さくらふくむすめ」募集の詳細は、こちら  http://syusei.or.jp/news/824
posted by ほうとく at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | さくらふくむすめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月12日

福沢諭吉が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言ったのではなかった

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会員さんと話をして、健康の維持、教育、教養といった話題から福沢諭吉に話が及びました。その会員さんは『福翁自伝』を読んで、福沢の実利実益の尊重に驚き、再び『学問のすゝめ』を読み直してみようと言います。

それらのいずれも、だれでもが聞き知っている書名ですが、もしかすると私はきちんと読んでいないかもしれないと気づきました。あわてて「学問のスゝメ」を読み始めて、その冒頭から、自分の思い違いに気づかされました。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と福沢が言ったと学校で習ったはずです。「学問のスゝメ」は次のように始まります。

「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ人ノ下ニ人ヲ造ラズト云ヘリ」

と書かれています。「云ヘリ(言われている)」で私は、唖然としてしまったのです。つまり、福沢ではないだれかが言っているということです。

それは、だれでしょうか。どうやら、アメリカ合衆国の独立宣言にある「人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれど、ただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となる」のようです。「学問のスゝメ」を読み進めると同じ内容を分かりやすく説明しています。

原典にあたっておかなければ、誤ることもよくあることです。きちんと読んでいなかったことが、分かりました。そうした話題を提供してもらえるその会員さんに感謝です。

写真
タイトル 一万円紙幣の福沢諭吉
カメラマン ookiiitigo
フォトライブラリー  http://www.photolibrary.jp/
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2012年09月11日

ボジョレーヌーボー解禁日のめでたさ

わが家には、食事でふだんからワインを飲むと言う習慣はありませんでした。昭和50年代の中頃、30年ほど前のことをお話ししようとしているのですが、たぶん多くの日本の家庭が、当時、そうだったろうと思うのです。ですから、ワインやチーズについて詳しいことが、文化人ふうだったのです。今でもそうした雰囲気はありますが。

学校帰りによく立ち寄ったそのお店で、私は紅茶をよくいただいていました。親しくしていただいていて、ボジョレーヌーボーの解禁日になると、ワインです。女主人が、どこかで買ってくるのです。「めでたい、めでたい」という感じです。ボジョレーヌーボーで、なんだか、めでたい感じにお付き合いさせてもらっていました。

めでたいことには、お付き合いさせていただきたいものですね。その空気を受け取れば、元気が出ます。
posted by ほうとく at 13:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ・幸福 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月08日

探求会「名月にかぐや姫と月読命を考える」(ホテル日航姫路、9月15日(土))にお越しください(facebookより転載)

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お月見は、中秋の名月、旧暦の8月15日から16日にかけて満月を見て楽しむものです。今年は、9月30日が十五夜です。雲などで月が隠れて見えなくても無月(むげつ)と呼び、また、雨が降れば、雨月(うげつ)と呼び、月が見えなくてもほの明るい風情を楽しみます。

探求会では、かぐや姫が月に帰っていく幻想的、かつリアリティーのあるシーンや、記紀で極度に扱いの少ない月読命を扱います。

皆さんご存じのあのかぐや姫は、中秋の名月の夜に、月に帰っていきます。9世紀に書かれたといわれる日本最古の物語「竹取物語」です。
...
翁が竹林で、見つけた女の子を育てたところが、この世の者とは思えない美しさの女性に育ち、たくさんの男性がかぐや姫と結婚したいと思いました。夜昼となく通いつづけた5人の公達(きんだち)、それぞれに、かぐや姫は、話にしか聞かない珍しい宝を持ってくるように伝えました。そして、だれもがその持参に失敗しました。

そのことが帝に伝わり、神輿(みこし)に載せて帰ろうとしましたが、一瞬の内に光となり、連れ帰ることができませんでした。3年たって、かぐや姫は、自分は月の都の人だから、8月15日に帰らねばならないと言います。また「そのような所(月)へ行くことも、嬉しいとも存じません」とも言います。

その夜、子の刻(午前0時)に家の周りが昼より明るくなり、月の人が地面から5尺の高さで立ち並んでいます。月の王は、屋根の上に飛ぶ車をつけて、かぐや姫に天の羽衣を着せて乗せました。帝の2千人の軍勢は何もできませんでした。かぐや姫は手紙、不死の薬を残しましたが、帝は、かぐや姫にもう会うこともないのだから不死の薬も意味はないと、月に一番近い富士山で手紙と不死の薬を焼かせました。

かぐや姫の要求を満たせなかった5人の内3人は実在で、他の二人も名前などから推定されています。その5人は壬申の乱の功臣で、天武天皇、持統天皇に仕えています。

月の人であるかぐや姫の話は意味深長ですし、月の人たちの現れ方は、ほんとうに宇宙人と遭遇して書いたかのようです。

比較神話学では、太陽と月の兄弟はよくあることです。中国の盤古伝説には、盤古が死して、その左目が太陽に、右目が月になった話があります。「古事記」ではイザナギの右目が月読(ツクヨミ)命が、もう片方の目から天照大神が、そしてさらに、鼻からタケハヤスサノオノミコトが生まれたとされます。それが三貴子です。

天照大神、スサノオノミコトの記紀でのいろいろな活躍をどなたもご存じですが、月読命の記述は極めて少ないのです。記紀の神話の編纂時の人の営みに何があったのでしょうか。

中秋の名月。私たちは地上から月を仰ぎ見て、月の都に思いを馳せ、また地上世界の人の営みに思いを馳せてみませんか。

今回の探求会では、お月見の意味を説明し、一方でかぐや姫と月読命を詳説します。そして、古代の日本の成立に関わる部分を読み解いてみます。

どなたさまでも、お気軽にお越しください。そして十五夜にはお月見を楽しみましょう。


□日時 / 9月15日(土) 午後1時半から午後3時半
□場所 / ホテル日航姫路1階ファウンテン個室
・電車  JR姫路駅 中央改札口南へすぐ/山陽電鉄姫路駅より徒歩5分
・お車  姫路バイパス姫路南インターチェンジより車で3分
□費用 /1万円 (参加時にお支払いください)
□講師 / 中澤鳳徳
・参加される方は、電話などでお知らせいただけると幸いです。
http://syusei.or.jp/gijyuku.html
修生会 〒672-8023 兵庫県姫路市白浜町甲2379
電話 079-245-0780

写真「すすきと仲秋の名月」by フォト僧 さん
フォトライブラリー : http://www.photolibrary.jp/
posted by ほうとく at 11:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ・修生義塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする