2013年10月15日

若い頃に読んだゲーテの「ファウスト」を思い出した

10代半ばに読んだゲーテの「ファウスト」に託されていたのは何だったのだろうと、突然、思い返しはじめた。そして、若い頃に読んだ本が人生に及ぼす威力を、何十年も経って知ることになる。

神の博打に翻弄されたのがファウストだ。悪魔は、ファウストの魂を悪の道に導けるかを神と賭けた。神は「人間は努力するかぎり迷うもの」と承諾した。

ファウストは、学問を究めても虚しかった。ファウストは自分の魂を差し出す約束をしてまでも満足を得ようとした。現世であらゆる人生の快楽、悲哀を体験し、自分を満足させれば、自分の魂を差し出す契約を悪魔と交わした。

グレートヘンとすばらしい恋愛をするために彼女の母親を毒殺し、兄を殺した。子どもをもうけたが、彼女は子ども殺しの罪で逮捕された。

そこで、彼は再び悪魔と契約した。皇帝の家臣となり、悪魔の力で経済再建を果たした。美女と平和な家庭を築き、子供が成長した。しかし子どもは戦いを求めて旅立ち、死んでしまう。彼は、皇帝を戦勝に導き、さらに海を埋め立てる大事業を始めた。彼は、自分の欲望を諦め、人々のための「理想の国」の実現させようとした。悪魔に魂を託したファウストは、グレートヘンの祈りで天国に召された。

その作品は、キリスト教を基礎にしているが、途中にはギリシア神話を取り込んでいる。キリスト教やギリシア神話の影響の大きくない日本にいても、その作品は味わい深いものだ。神の御心の下で私たちが地上で成す善きこと悪しきことのすべてを取り込んで、なお努める。その努力のもたらす迷いと、その結果を、読者は心の底に刻むことだろう。
posted by ほうとく at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ・幸福 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック