2013年01月17日

平成二十五年 阪神淡路大震災、東日本大震災追悼の集い式辞(普遍的な価値が日本を再生し、世界の手本となる)全文

平成二十五年 阪神淡路大震災、東日本大震災追悼の集い式辞
(普遍的な価値が日本を再生し、世界の手本となる)

本日ここに、阪神淡路大震災、東日本大震災追悼の集いを執り行うにあたり、それらの震災や津波でお亡くなりになりました併せて二万六千人の方々の御霊(みたま)に対し、謹んで哀悼の意を表します。そして今なおその後遺症に苦しんでおられる方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。

当会では、阪神淡路大震災の追悼を行うために本行事を行ってまいりましたが、前回から、それに併せて、東日本大震災でお亡くなりになった方々の追悼を行わせていただいています。

十八年前の今日、一月十七日の早朝の地震により、阪神間から淡路にかけて多くの被害がありました。多くの家屋やビルディングが倒壊し、多くの方々がお亡くなりになりました。お亡くなりになった方の多くが、家屋や家具の下敷きになり、あまりに短い時間のうちに圧死されています。また火災に巻き込まれ、お亡くなりになった方も多くいらっしゃいます。

阪神淡路大震災の後すぐに、ご神前に供えた食べ物を、震災でお亡くなりになった霊体の方々にお供えしました。霊体の方々が群がるようにお越しになりましたが、人の姿とは思えぬお姿を見せられた方もいらっしゃり、驚くばかりでした。ですから、あまりの惨事となった東北大震災でお亡くなりになった方々がお越しになれるように阪神淡路大震災に併せてお祀りさせていただきます。

阪神淡路大震災で、兵庫県は、創造的復興を目標に都市改善を進めました。人と防災未来センターに財団法人ひょうご震災記念二十一世紀研究機構があり、そこに「市民による追悼行事を考える会」の事務局が置かれています。わたくしも「市民による追悼行事」の呼びかけ人をさせていただいています。

震災時、私自身も震源に近い神戸の中央区に住んでいました。建物は無事だったものの、部屋の中ですべてが崩れ落ちました。私は、肉体的には無傷(むきず)でした。しかし、社会のなかで組み上げた価値が崩落し、生きることの意味を失わせたのです。そばにいる友人の支えで、死の誘惑からまぬがれました。翌日には、神戸をあとにし、出雲、津和野で三週間を過ごし、その後、二年間、明石でお世話になりました。言い尽くせぬ感謝です。

それまで自ら精一杯に生きた証が、震災で崩れたのです。自分の拠り所を離れて、暮らさせていただきながら、生かされることでしか生きられないことに気づかされたのです。人は、神に見守られ、人に支えられて生きるのです。生かさせていただく幸せは、周囲の人さまの尽力のたまもの、周囲への感謝とともにあったのです。

お亡くなりになった方々の慰霊や供養は、生きている私たちにとって、価値ある活動です。神域での慰霊を神計らいによって執り行わせていただけることで、私たちの祈りが、まっすぐに霊体に働きかけます。ここには、お亡くなりになった方々が、お喜びになる配慮があるのです。そして霊体の方々にお喜びいただくことで、生きている私たちが、これから心地よく過ごさせていただく糧とすることができるのです。

一昨年の三月十一日の午後に宮城県沖を震源とした日本の観測史上最大の規模の地震と、それによって生じた大津波で、多くの方が水死などでお亡くなりになり、また行方不明となられています。また原子力発電所の大きな事故を引き起こしました。

その災害を世界中に配信したのは、マスメディアに加えてソーシャルメディアでした。ネット上で、即時に状況を伝えることになりました。ソーシャルメディアの個人的な現実性は、阪神淡路大震災の被災の経験に照らして、報道の一部を担っているように見えました。多くのメディアを通じて被災地の、そして日本の人たちの挙動に世界中が注目し、その反応が世界中を駆けめぐることになったのです。

世界中から「日本のために祈る」のメッセージが大量に流れました。ソーシャルメディアで国家や民族の枠を取り払って世界中の人が、それぞれにつながり、同時に誰もが国家や民族に所属している事を意識させられました。

東日本大震災では世界中のメディアが、私たちの誇るべき特質を伝え、私たち自身がそれに気づかされたのです。東日本大震災の被災者の我慢強さが、日本中に、そして世界中に印象づけられました。それは、一人ひとりが独立しているのではなく、その全体に人智の及ばない配慮があって、周囲の人たちと共同体を形成していることを知っているからです。

兵庫県姫路市において、本日の集いに臨み、私は、大きな自然災害によって生じた大きな苦難の解決が、どなたにとっても難しく、今後、大きな苦難を招かないように、また日常的に、あるいは不測の事態によって負った心の傷を、どなたもが安心して治癒できる社会の実現に取り組む必要を再確認しました。そして、近年、だれもが価値体系の大きな変化を感じている中で、犠牲を伴って日本人自身に、そして世界中の人たちに明らかにすることになった普遍的な価値を私たち自身が認めなければなりません。私たちの特質を日本の再生の原動力とし、そして世界の手本となるよう勤(いそ)しみ勤めることを、御霊(みたま)の前にお誓い申し上げます。

終わりに、阪神淡路大震災と東日本大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福と、ご遺族並びに被災者の方々の今後のご多幸を心からお祈りし、併せて参列者並びに関係者の皆様方のご健勝をご祈念申し上げます。

平成二十五年一月十七日
         修生会 会長 中澤鳳徳
posted by ほうとく at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 阪神淡路大震災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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