2011年04月14日

「癌」の文字は、12世紀から中国で使われています

漢字の「癌」は、乳癌を指していました。触診すると岩のように堅いからです。「疒」(病垂、やまいだれ)と「岩」の異体字である「嵒」との会意形声(かいいけいせい)文字です。 「嵒」は、「ガン」「いわ」「そびえる」「けわしい」です。江戸以降、癌は「岩(がん)」と書かれることもありました。

「癌」は、1716年に完成した「康熙字典(こうきじてん)」に出ていないので、和製漢字だと考えられたこともあります。「康熙字典」は、清の康熙帝の勅撰により、漢代の「説文解字」以降の歴代の字書の集大成として編纂された漢字字典です。全42巻、収録文字数49,030。編者は張玉書、陳廷敬ら30名、6年間を費やしています。

しかしそれ以前に中国で使用されています。「癌」は、宋代の「衛済宝書(えいさいほうしょ)」(1170年)や、「仁斎直指方」(1264年)などで使用されていることが知られています。

「仁斎直指方」の著者は楊士瀛(ようしえい)、字を登父、仁斎と号しました。福建省閩侯県(びんこうけん)の出身で、代々の医家です。計四書からなる個人叢書で、主には医学全書と言えますが統称がないので、「仁斎直指方」で全体を代称されるようです。「癌」の文字とその症状についての記載がなされているようです。
posted by ほうとく at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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