2011年03月09日

「オオカミに育てられた少女」は、ウソかホントか分からないから都市伝説

オオカミに育てられた少女アマラとカマラは、1920年に発見され、人としての成長を遂げずに死んでしまったという教育や児童心理学でよく用いられた有名な話で、今も信じている人たちも多くいるのではないか。

オオカミに育てられた子と言えば、ギリシア神話のアポロンとアルテミスを、あるいはローマ建国神話のロムルスとレムスを私は思い浮かべる。アマラとカマラに似た話が神話にあるという指摘は寡聞にして他に知らない。

ギリシア神話では全能の神ゼウスの妻ヘラは、ゼウスの子を身ごもったレトに嫉妬した。その出産については諸説ある。レトは、黒衣をまとい、神々のうちで最も柔和な女神ともいわれる。レトは、牝オオカミの姿となってゼウスとの間の子アポローンとアルテミスを産んだという。

またローマ神話では、建国者であるロムルスとレムスは牝オオカミに育てられたとされる。

南方熊楠の「十二支考」の「虎に関する史話と伝説民俗」にもオオカミに育てられた子供がいくつも紹介されている。イギリス人ポールの「Jungle Life In India」に記録されており、またイギリス人スリーマン大佐は、オオカミと同行する四つん這いの人間の子供を捕まえたと言い、またドイツ人マックス・ミューラーは多くのオオカミに育てられた子供の話を集めている。

2人の少女アマラとカマラは、オオカミに数年間育てられた後、キリスト教伝道師シングによって保護された。現在のインドの西ベンガル州ミドナプール付近で発見された。シング牧師の日記が正しいとするお墨付きがある一方で、日記そのものが書かれたのは、アマラとカマラが死んで何年も経ってからで、信頼できる証言や科学者による事実の矛盾点の指摘で、シング牧師の運営する孤児院の運営費用の捻出のために自閉症、あるいは精神障害の孤児を使った詐欺だとされる。

シング牧師が保護したその少女たちは、ふつうの生活を営めないために捨てられたのだろう。オオカミは母性本能が強く、人の子を育てることもあったかもしれない。シング牧師は、2人の少女を保護し、ギリシア神話かローマ神話を思い浮かべたかもしれない。ふつうではない少女たちが「いたかもしれない」ことから言えば都市伝説だ。
posted by ほうとく at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ・幸福 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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